茅輪神事の由来
茅輪神事は、「ちのわしんじ」と読んで、他に「輪越祭」「茅の輪くぐり」とも言われています。茅(ち=かや)とは、茅萱(ちがや)(すげ)(すすき)などの総称で、この輪をくぐり越えて罪やけがれを取り除き、心身が清らかになるようにお祈りするものです。

昔、素盞鳴尊(すさのおのみこと)が旅の途中で、蘇民将来(そみんしょうらい)巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟のところで宿を求められました。弟の巨旦将来は、豊かな生活をしていたのにそれを断りました。しかし、兄の蘇民将来は貧しい暮らしをしていましたが、素盞鳴尊をお泊めして、厚いもてなしをしました。

その後何年かたって素盞鳴尊は再び蘇民将来の家を訪れて、「もし悪い病気が流行することがあったら、茅で輪を作って、腰につけていれば病気にかからないですむでしょう」 とお教えになりました。

これから、「蘇民将来」と書いた紙を門にはっておくと災いを免れるという信仰が生まれました。茅の輪も、最初は人々が腰につけるほどの小さなものでしたが、時代がたつにつれて大きくなり、これをくぐって罪やけがれを取り除くようになりました。

茅の輪のくぐり方
(1) 先ず、茅の輪の前に立って軽く礼をします。左足からまたいで輪をくぐり、
  左回りに回って元の位置に戻ります。

(2) 茅の輪の前で軽く礼をします。右足からまたいで輪をくぐり、
  右回りに回って元の位置に戻ります。

(3) 茅の輪の前で軽く礼をします。左足からまたいで輪をくぐり、
  左回りに回って元の位置に戻ります。

(4)茅の輪の前で軽く礼をします。左足からまたいで輪をくぐり、
  ご神前まで進みます。二拝二拍手一拝の作法でお詣りします。

お正月の参詣者が全員この作法でくぐりますと、境内が大混乱になりますので、「茅の輪の正しいくぐり方」の掲示はいたしておりません。茅の輪をくぐること自体にお祓いの意味がありますので、正式なくぐり方ができないからと言ってご心配には及びません。とは言いましても、「正式なくぐり方」を知れば、誰でも試したくなるものと思います。本ページをご覧の方は、ぜひ(1)〜(4)の作法通りくぐってみて下さい。
   (6月の大祓では全員正式にくぐります)

茅の輪の作り方
当社では、6月30日の「夏越祓」、大晦日の「大祓」と年2回茅の輪を作ります。 6月は鶴見川の茅で作りますが、12月は適当な茅が入手できないものですから、藤沢の農家に頼んで早刈りの稲藁(早刈りの稲藁は青みがあります)を頂いています。

神明社の茅の輪は直径270cmほどです。先ず芯を作ります。直径1インチの塩ビ管を4本束ね太めの縄を巻きます。次に、芯に沿って、茅(または稲藁)を適当な間隔に配し、細めの縄で仮留めします。必要に応じて太さが均一になるように修正します。

中細の縄で本締めします。縄の間隔は20cmくらいです。またぐ部分に太縄を巻き補強します。以上で茅の輪本体の出来上がりです。

次に茅の輪の支柱を組み立てます。参道の所定の位置に丸柱を立てます。丸柱に真竹を添えます。竹の長さは7〜8mです。この時、竹の葉を3分の1くらい間引きます。この作業を怠ると降雪時に竹が折れます。

いよいよ茅の輪本体の据え付けです。できればほんの少し縦長に仕上げたいのですが、なかなか思うようになりません。年によっては不細工な仕上りになることもあります。さて今年の出来映えは・・・