神戸町に鎮座する神明社と西久保町に鎮座する杉山神社には、たいへんよく似た石灯籠が一対ずつあります。神明社の石灯籠には寛政4年 (1792)、杉山社の石灯籠には文化5年(1808)の銘が刻まれています。同じ石工の作と伝えられます。

元々これらの石灯籠は、現在の大門通入口附近にありました。江戸名所図絵にも描かれています。明治時代になって神社の財産がきちんと登録されるようになった時、所有権について争いがありました。
神戸町
の言分
大門の入口には神明社の一の鳥居がある。
その前にある石灯籠は当然神明社のものである。
岩間町
の言分
石灯籠のある場所は岩間町であり神明社の氏子ではない。
岩間町の鎮守である杉山神社のものである。



「江戸名所図絵の一部」図の右下に石灯籠が見えます。もう一対は絵の外にありました。
右の写真は現在の神明社



神明社の石灯籠(左) 杉山神社の石灯籠(右の二つ)  写真では違いがわかりません。
さてどうしたものか、神戸町と岩間町の若い衆の間で喧嘩が始まりました。両者とも必死だったため、なかなか決着が付かず、怪我人も出たことから、結局長老が出て話し合うことになりました。

長老達のお出ましとなれば、答えは一つです。両者で仲良く二等分することになりました。